歯科の豆知識 vol.11 飲み物でむし歯になる?? 2019年10月5日

前回は、おやつの話をしました。

むし歯というと、「甘いおやつの食べ過ぎ」というイメージが強いと思います。
それは間違いないのですが、お口の中をよく観察すると、飲み物が原因では?と思われるむし歯を見かけることがあります。

たとえば、チョコレートなどの、歯にくっつくタイプのお菓子が原因と思われるむし歯の場合、奥歯の溝が黒く着色したり、穴が開いたりすることが多いです。

一方、飲み物が原因でできたであろうむし歯の場合、特定の歯というよりも、全体的に歯の表面が溶けて、白く濁っていたり、歯の表面の硬い部分が薄くなってしまっている傾向があります。

 

 

お口の中の状態を見て「もしかして」と思い、お話を伺ってみると、炭酸飲料やその他の甘い飲み物を常飲なさっていることがあります。
特にペットボトルから直接飲んでいる場合、一本を飲みきるまでしばらくの時間がかかるわけです。その間に歯の表面は少しずつ溶けていきます
特に乳歯は、永久歯と比べて柔らかいので、あっという間に溶けていきます

これを日々繰り返していれば、、、想像がつきますね?

最近はようやく秋らしくなってきて、気温も下がってきましたが、夏の暑い日など、お子さんに公園でジュースや炭酸の飲み物を飲ませてはいませんか?
部活に行くお子さんにイオン飲料を持たせてはいませんか?

飲み物は基本的には水かお茶にしましょう。
特に緑茶にはフッ素が含まれており、歯を強くする効果があります。
実はフッ素は自然界に広く存在しているものなのです。

 

 

暑い日のスポーツで熱中症が心配な時は、塩分やミネラル分を含んだタブレットなどを活用すると良いと思います(前号で触れたように、アメよりラムネの方がいいです)。

下の写真から分かるように、市販のペットボトルに含まれているお砂糖の量はびっくりするぐらい多いです。こうした飲み物は、たまに頂くのがいいですね。

 

 

 

なお、むし歯とは、お口の中の糖分をもとにむし歯の細菌が体内で作る酸によって歯が溶かされた状態をいうのですが、お口の中の糖分の量が多ければ多いほど、強い酸ができるのです。
また、「炭酸」はその名の通り、酸を含んでいるわけですから、甘い炭酸水は歯の大敵といことがわかるかと思います。

かくいう私も、甘いお菓子や飲み物を全く食べないわけではなく、たまに頂きます。
そのかわり、時間をしっかり区切って摂取するようにしています。

キーワードは量と時間です。
量は少なめに、時間は短くでお願いします。

 

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