歯科の豆知識 vol.7 フッ素とは 2019年6月8日
今号からは、むし歯予防についての話題を取り上げます。
特にお子さまのお話中心になりますが、むし歯は年齢に関係なくできるものですから、大人の方にも参考にしていただければと存じます。
さて、まずはフッ素のお話から始めましょう。
フッ素がむし歯予防に効果的だということはみなさんご存知かと思います。
市販の歯磨き粉は、ほとんどのものにフッ素が含まれていて、含まれていないものを探すのが難しいぐらいです。
でも、なぜフッ素を使うとむし歯の予防になるのか、ご存知でしょうか?
なんとなく効くような気がしてはいませんか?
<じつはフッ素は身の回りにある>
「フッ素」と聞くと、歯科用に開発された何か特別なお薬という認識が強いかと思います。
確かにそうなのですが、じつは、フッ素は自然界にも存在している元素です。
下の図からもわかるように、野菜や果物、お茶などの飲み物、海産物にもフッ素は含まれています。よく見ていただくと、「こんなものにもフッ素が含まれているのか」という意外な発見があるのではないでしょうか。
<フッ素はなぜむし歯の予防になる?>
このフッ素がむし歯予防に有効とされるのには、2つの理由があります。
① フッ素は、歯を強くするから。
② フッ素は、むし歯を作る細菌が酸をつくるのをじゃまするから。
① については、みなさん、比較的ご存知かと思います。
実際、お子さまにフッ素を塗る場合、「歯を強くするお薬を塗ろうね」といった説明をしています。
② については、あまり知られていないかもしれませんね。
これについては、歯がむし歯になっていく過程をまず理解する必要があります。
むし歯を作る細菌は、お砂糖成分をもとにして、体内で酸を作ります。この酸が歯を溶かします。フッ素は、細菌がこの酸を作れないようにしてくれるのです。酸が出来なければ、歯は溶けません。
ですから、フッ素はむし歯予防にとても効果的といえます。
<フッ素はいつ使うの?>
よく赤ちゃんのいるお母さんからされる質問に
「歯が生えてきたんですけど、フッ素っていつから塗ればいいんですか?」というものがあります。
フッ素をむし歯予防として使う場合、一番効果的なのは、生えたての歯に使うということです。歯が生えてくるのは
・乳 歯・・・生後8ヶ月から3歳半ごろ
・永久歯・・・6歳から中学2年生ごろ(親知らずは20歳前後)
この期間に使うと、より大きな効果があります。
それ以外の期間に成人の方が使用してももちろん効果があり、特に、根っこが見えてきてしまった歯への使用はおすすめです。
つまり、一生を通してのフッ素の使用がむし歯予防には有効だということです。
次回は、いろいろあるフッ素商品の違い、有効な使い方についてお話しします。
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