歯科の豆知識 vol.1 歯周病とは 2019年2月16日

歯科の豆知識 vol.1 歯周病とは 2019.2.16

このたび、浮間アスール歯科では、歯科に関する豆知識を少しずつHPにてお伝えしていくことに致しました。
普段の診療で患者さんからご質問をいただく内容を中心に書いてまいります。
お読みいただき、歯科への関心を持っていただければ幸いです。

さて、記念すべき第1号の内容は、歯周病についてです。
「歯周病」という言葉はみなさんご存じかと思います。だいたいのイメージもありますよね、きっと。
でも、いざ聞かれた時に、どんな病気か説明できますか?

Q.歯周病ってどんな病気ですか?
歯周病とは、文字通り「歯の周りの病気」です。
「歯の周り」とは、つまり歯ぐきのことを表しています。

これは、別の言い方をすれば「歯そのものの病気ではない」という言い方ができます。

たとえば、むし歯は歯の病気です。
歯が、むし歯の細菌によって溶かされ、穴が空いてきてしまう病気です。
まだ初期のむし歯であれば、薬を塗って様子を見る場合もありますし、少し進んだむし歯だと削ります。もっと進むと、歯の中の神経をとって治療する場合もあります。

痛みが全く出ない場合もありますが、たいていの場合は冷たい飲み物がしみたり、噛むと痛いという症状が出て、「歯医者さんに行かなきゃ」となりますね。

では、歯周病の場合はどうでしょう。
最初にまず歯ブラシの時に歯ぐきから出血して気がつく場合が多いです。
いわゆる「歯肉炎」です。

その時点で歯のお手入れをしっかりすれば、炎症は引き、元に戻すことができます。
繰り返します。歯肉炎は元に戻すことができるのです

でも、ここで放置してしまうと
炎症は歯肉からさらに進み、歯を支えている骨を溶かし始めます。
溶けた骨を元に戻すことはできません。
骨が溶けるというと、とても痛そうに感じるかもしれませんが、実際はほとんど痛くありません。

痛いのはイヤですね。

でも、「痛み」というのは体が出してくれている、とても大事な信号なのです。その信号を体が出してくれない。これが歯周病の最もこわいところだと思います。歯周病を一言で説明すると、

痛みなしに骨が溶かされていく病気」。「そしてやがて歯が抜け落ちていく病気」。
これが歯周病です。

この画像は、当院に通っていらっしゃる40代男性、重度の歯周病患者さんのX線写真です。
歯を支えている骨が溶けてしまって、歯がいろんな方向を向いてしまっていることがわかりますね。
こうなると、思うように噛めなくなります。
食事が楽しめないのは、つらいですよね。

次の画像は
まだ10代の方のX線写真です。

上の画像と比べると、骨がしっかりしていることが分かりますね。
まったく歯周病にかかっていない、とてもキレイな状態の骨です。
これが本来の状態なのです。

歯周病について、少し理解していただけたでしょうか。
では、この歯周病にかからないようにする方法はあるのでしょうか。
もしかかってしまったら、どうしたらいいのでしょうか。
これを説明するには、歯周病がなぜ起きるかというところから理解しなければなりません。

次号以降では、歯周病がなぜ起きるのか。
歯周病にかかってしまった場合、どうしたらよいのか、といったことについて書いていこうと思っています。

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